so sweet!!!
「サンキュ」


 俺たちは屋上に座った。



 千代子ちゃんがお弁当袋から俺の分の弁当を出して、渡してきた。



 俺は、わざと千代子ちゃんの手に当たるように受け取った。



「あっ」



 千代子ちゃんは小さくそう言い、顔を赤くした。



 なんでこんなにウブなんだろう、この子は。



 このまま手を取って無理やりキスしたら…



 俺はそんな衝動にかられながら弁当を巾着から取り出す。



「あの…遥也くん、足りなかったらごめんね?」



 千代子ちゃんがそう言った。



 弁当箱を見たら、確かにいつもの俺では足りない量だった。



 まあ、今日は早弁してるから全然足りるけど。



「大丈夫だよ。



千代子ちゃんの愛が詰まってる」



 僕がそう言って微笑むと、千代子ちゃんはまた顔を赤くした。



 ホントに、からかいがいのある…



 弁当の箱を開ける。



 可愛らしいうさぎのおにぎりが詰められていた。
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