ぎゅぎゅっと短編詰め放題



「……篠原さーん」


また、来た。地獄の時間。

今日も低音ボイスは絶好調だし、サングラスはかなりの輝きを放っている。


そうか、そうか、そうか。

私がこの人に耐える時間は、もはやなんの意味もないのか。


ただ、自身の疲労とストレスにつながるだけか。

衝撃的な事実を知って、そんな風に思ってしまったらこの時間が苦痛で苦痛で仕方がなかった。



「何でブレーキ早め早めに押さねぇのかな、安全運転しろよ、コラ」

「合図忘れてる、何度言わせんだよ」




なんの愛情もない、ただのこの人のストレスのはけ口で嫌がらせとしか思えない罵声。



今日だけは無性に腹立たしくて。





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