ぎゅぎゅっと短編詰め放題




……別に、「好き」だなんて、伝えてないし。


私たちの関係は所詮、教習生と指導員。


そんなの、ずっと前から変わらない。
これからも、変わるはずがない。


そんなこと、わかってる。

頭では、ちゃんと、わかってるんだ。





────だけど、あなたの笑顔を見てしまってから、特別になれたような気になってしまいました。


あなたの車の鍵を渡されて、家まで送ってもらったりして、ついでに名前で呼ばれたりもして。

少しだけ、ほんの少しだけ、浮かれてしまいました。


厳しくて、鬼畜な彼のこと、理解出来るのは私だけかもしれない、と。

調子に乗りました、ごめんなさい。








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