もしも緑間くんと恋をしたら
バスケなんて知らない
私の出身中学校は、帝光中学。
バスケをやっていたら、この名を知らぬ人はいない。
バスケをやっていたら……。

帝光中学校バスケットボール部は、部員数は百を超え、全中三連覇を誇る超強豪校と言われていた。
その輝かしい歴史の中でも特に「最強」と呼ばれ、無敗を誇った十年に一人の天才が五人同時にいた世代は、「キセキの世代」と呼ばれている。
そんな伝説の中学校なのだ。

だけど、私はバスケをやったことがない。
せいぜい、体育の授業でやらされた、くらいだろうか。
寧ろ、嫌いな方かもしれない。

そんな私は、彼らとはかけ離れたところにいて、その名門級である部活には入らずほそぼそと暮らしていた。

光なんて浴びたこともないし、眩しささえ知らない。

それでも、やはり煌々と輝く彼らには羨ましいほどのそれぞれの魅力があったのだ。

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