もしも緑間くんと恋をしたら
「まさか、麻雀するとは思わなかったよぉ」

さつきが笑う。

「……う、うん」

「斉ちん、ギャンブラーなのぉ?」

「紫原、それは語弊があるな。麻雀は賭けをしなければすごく楽しいゲームだ。あれは頭も使うが、天に好かれなければ勝てない。牌に愛されなければ勝てないのだ。だから、俺はやらない。実力よりも運が絡むものは、絶対とはいえないからな」

紫原くんの問にスマートに応える赤司くん。

確かに、麻雀は実力があるだけでは勝てない。
牌に嫌われた日には、どれだけうまくてもせいぜい負けないように打つのが精一杯だ。

「そうなんだぁー」

赤司くんの説明で紫原くんが納得して頷く。

「つまり、斉藤は牌に愛されるプレイヤーだということか?」

続いて緑間くんが、赤司くんに確認をするように問う。

「そういうことになるんだろうな」

さつきや青峰くんが、ポカーンと口を開けて会話を聞いていた。

「麻雀部、なんて有れば良かったんだけど無いから帰宅部になっちゃったんだよね」

苦笑いを浮かべる私からすれば、この慣れない空気を一刻も早く消し去りたかった。

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