もしも緑間くんと恋をしたら
「おはよう!みちるん!」

学校に着くと、さつきが嬉しそうに寄ってきた。

隣にはやっぱり青峰大輝。

「おはよう!」

私もいつものように挨拶し、いつものように接した。

「お前、緑間とどこまで帰ったんだ?」

青峰くんが不思議そうに訊いてきた。

「え、緑間くんが送ってくれた……」

『えっ?!』

私はそれが、彼のスマートさだと思ってそう言った。

だけど、この反応は違ったらしい……。

「バスケには興味はないのだろう?ならこれっきりなのだよって言われたけど……」

と、付け加えて説明した。

この先、またラストまで見学することはないだろ?そう言いたかったのだと思う。

「本当、アイツらしいな」

青峰くんが、ふっと笑った。

「本当よね」

さつきまでクスクス笑い出す。

「え?え?」

その様子に、わけが分からず戸惑うだけの私。

「アイツ、遅い時間だったから気でも遣ったんだろうよ。まぁ、気にすんな」

青峰くんがそういって、場をおさめようとする。

気にしてないけど……普段の彼ってどういう人なんだろう。

すごく、興味深い。

「ねぇ、さつき」

さつきの手を引き、耳元まで口を運んだ。

「緑間くんのこと知りたい……」

そういうと、真っ直ぐにさつきを見つめた。

「嘘でしょ?」

さつきは出来るだけ小声でそう言った。

「知りたいの……」

「本当にみちるんってば、昨日から予想外なこと言い出すね。麻雀のことと言い、今日に限ってはむっくんのこと言われると思ってたよっ」

「ちょっと!」

さつきが通常のボリュームでいうから、私は慌てて声をかぶせた。
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