もしも緑間くんと恋をしたら
「み、緑間くん……」

まだ聞きたい事がある。

すぐそばにいる彼に一つ聞きたいことがあった。

そんなときにさつきと青峰くんが体育館へ入ってきた。

「あ……」

「あれー?みちるん!」

「あ、ちょ、ちょっと待って!すぐ終わるから!」

そういって、間に入ろうとする二人を阻止した。

「緑間くん、あの、オフの日があれば教えてほしい」

精一杯だった。

彼の休みを知りたいというのは、精一杯だった。

「それを知って何になるのだよ」

そんな感じのことを言われるのはわかっていた。
彼がすんなり教えてくれるとは思っていない……。

「緑間くんと……デートしたい」

「はっ?!な、何を言っているのだよ!」

そうなると、率直に言わないと伝わらないと思った。

「デートしたいから、休みの日を教えてほしい!それだけ!」

さつきと青峰くんがクスクス笑っているのに気付いて、彼は背後を振り返る。

「な、何を笑っているのだよ!」

「緑間、ちゃんと答えてやれよ」

「そうだよ、みどりん!」

心なしか……緑間くんの頬が赤い気がする……。

もしかして、恥ずかしがっている?

「こ、今週は空いているのだよ。来週は試合の前だから練習したい」

私から目線をそらして、彼はそう答えてくれた。

「今週だね!ありがとう!」

そして、次々にメンバーが入ってきた。
そろそろ練習が始まりそうだ。

「あ、また明日続き話そう!またね」

「わかった」

「練習頑張ってね」

さつきみたいに、アピールできないと思っていた。いや、さつきのようには上手くいってないかもしれないけど、彼には率直にぶつけるしかないのかもしれない、という結論。

これがいい方向に進めばいいのだけど……。






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