もしも緑間くんと恋をしたら
彼は何が好きで、どんな趣味を持っているのか。
そんなことも分からないのに、デートしようと言ってしまった。
あー、どうしよう。
悩んでても仕方ないのに、そればかりが頭の中を占領する。
だが、赤筒を貰いに行くことだけは覚えていた。
昨日、緑間くんに送ってもらった時にも実は通っているが、実家のすぐ近くに叔父さんの雀荘は建っている。
「こんにちはー」
ドアに付けられたベルが揺れ、その音が部屋に響く。
叔父さんは掃除をしている最中で、すぐに私に気付いてくれた。
「お、みちる!どうしたんだ?」
「叔父さん……古い牌とかって捨てたりした?倉庫に眠っている牌とかない?」
そう尋ねると、叔父さんはホウキを持つ手を止めた。
「またどうしたんだ?」
「お守りにしてた赤牌なくしたの……」
「ずっと持ってた赤筒かい?」
「そう……」
「あんなに大事にしてたのに、それは残念だったな」
「……うん。だから、叔父さんなら何とかしてくれるかな、って思って……」
叔父さんは私の説明を聞くと、ホウキを持って奥の部屋に入っていった。
数分して、ホコリまみれの箱を手に戻ってきた。
やっぱり古い麻雀牌があったようだ。
「次も赤筒か?」
箱の蓋を開け、色褪せた麻雀牌を私に見せてくれた。
本当に使い古された麻雀牌。
「叔父さんは萬子(マンズ)が好きだもんね」
「萬子、かっこいいじゃないか」
萬子とは、漢数字で書かれた牌。叔父さんは漢数字で書かれた、この萬子が好きなのを私は知っていた。
「かっこいいって言ったら、そうなるけども。でも、私は筒子(ピンズ)。だから、赤筒がいい」
筒子とは、 穴開き硬貨を表しているのだが……簡潔にいうと丸いマーク。
私はその牌が好き。
そんなことも分からないのに、デートしようと言ってしまった。
あー、どうしよう。
悩んでても仕方ないのに、そればかりが頭の中を占領する。
だが、赤筒を貰いに行くことだけは覚えていた。
昨日、緑間くんに送ってもらった時にも実は通っているが、実家のすぐ近くに叔父さんの雀荘は建っている。
「こんにちはー」
ドアに付けられたベルが揺れ、その音が部屋に響く。
叔父さんは掃除をしている最中で、すぐに私に気付いてくれた。
「お、みちる!どうしたんだ?」
「叔父さん……古い牌とかって捨てたりした?倉庫に眠っている牌とかない?」
そう尋ねると、叔父さんはホウキを持つ手を止めた。
「またどうしたんだ?」
「お守りにしてた赤牌なくしたの……」
「ずっと持ってた赤筒かい?」
「そう……」
「あんなに大事にしてたのに、それは残念だったな」
「……うん。だから、叔父さんなら何とかしてくれるかな、って思って……」
叔父さんは私の説明を聞くと、ホウキを持って奥の部屋に入っていった。
数分して、ホコリまみれの箱を手に戻ってきた。
やっぱり古い麻雀牌があったようだ。
「次も赤筒か?」
箱の蓋を開け、色褪せた麻雀牌を私に見せてくれた。
本当に使い古された麻雀牌。
「叔父さんは萬子(マンズ)が好きだもんね」
「萬子、かっこいいじゃないか」
萬子とは、漢数字で書かれた牌。叔父さんは漢数字で書かれた、この萬子が好きなのを私は知っていた。
「かっこいいって言ったら、そうなるけども。でも、私は筒子(ピンズ)。だから、赤筒がいい」
筒子とは、 穴開き硬貨を表しているのだが……簡潔にいうと丸いマーク。
私はその牌が好き。