もしも緑間くんと恋をしたら
緑と紫
二人は同じチームで、同じバスケ部の天才。
成績だって、赤司くんがトップだけど、常にその真下には緑間くんがいて、その下に紫原くんがいる。

帝光中学校は、バスケ部が本当に贔屓されていて、でもその結果を残す彼らを誰もひがんだりはしない。

(あぁ、前もって言ってくれると助かるのだよ。頼んだ)

(じゃあ、早速だけど明日は持っていくよ!ねぇ、緑間くん……。明日、紫原くんと気まずい?)

私は、触れなきゃいけない気がして尋ねてみた。彼からすれば、あの光景が目に浮かんで嫌気が差すかもしれない。でも、聞かないとダメな気がした。

(ありがとう。紫原のことはなかったことにするのだよ。問題ない)

彼なりに悩んでいたのか……。
いや、なかったことにするということは、触れることさえしないつもりか……。

(斉ちんがそんなにみどちんがいいなら、いいよー。奪うまでだし……)

続けて紫原くんから着たメール。
子供みたいに無邪気だとはいえ、子供みたいだからこそ欲しい物は欲しい。そういうことか。
彼がなぜ私を執拗に追うのか理由は分からないけれど、こうなれば紫原くんは諦めが悪そうな気がした。

(緑間くんは大人だね)

私は二人を見て、素直にそう思った。

(緑間くんと気まずくないの?)

でも、あのチームに影響を及ぼさないか、本当に不安だ。
今日の件は、黒子くんも青峰くんも、黄瀬くんも知っている。
青峰くんが知っているということは、さつきにも知らされている。
私、掻き乱すつもりなんてなかったのに、めちゃくちゃ掻き乱している気がする……。

(バスケには関係のないことなのだよ。気にするな)

緑間くんはそう言ってくれた。
こういう些細な優しさが本当に好き。

(別に気まずくないよー。みどちんと喧嘩しても、喧嘩にならないし、それにめんどくさいしー、そういうの)

あぁ、なるほど。
緑間くんがなかったことにするっていってたのは、紫原くんが極度のめんどくさがりで、いちいち喧嘩なんて吹っかけてこないからってことか。
彼がめんどくさがりなら、口喧嘩にもならない。そういうことなのかな。

(ありがとう、緑間くん)

(めんどくさい、ね。それなら良いけど……)

はぁ、なんだか疲れてきた。
というか、気が抜けた。

麻雀の四人打ちで、役満に振り込んだ以上に疲れた。

明日からどうなっちゃうのだろう……。
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