新撰組と神の護り手伝説
布団の横から立ち上がろうとした時、袖を力強く吹悠に掴まれた。
『…いてい…でよ。』
何かをボソッと呟かれる。
何だ?と振り返る。
『置いていかないでよ。お兄ちゃん!』
そうして堰を切ったかのように大泣きしだした。外も雨が激しく降り始めた。
実は吹悠が今まで無意識に制御してた部分の御がお酒に酔ってなくなったから、吹悠の感情と連動しているというのが正解だ。
一瞬で頭を回転させて、今の状況を整理した土方は取り敢えず兄のフリに徹することにした。
と言ってもなんと言えばいいのか分からないので、無言で吹悠を抱きしめぽんぽんと背中を叩いた。
あれ、前もこんなことした様な…。
まあいい。
それにしても思ったより小さいなこいつ。
親と別れて寂しいはずなのに泣き言一つ言わない。
ぽんぽんと無言で背中を叩き続ける。
しかし、当の本人は一向に泣き止まずついには外では雷まで落ちてきた。
ピカッ ゴロゴロゴロゴロ‼︎‼︎
雷が一際明るく光った。
『‼︎‼︎』
びっくりしたのか吹悠は土方から急に離れてバランスを崩し頭を打った。