新撰組と神の護り手伝説
ー昔々。


あるところに仲睦まじい夫婦がいました。
しかし奥さんの方は大きな病に罹ってしまいました。


不治の病だったので、薬もなく日に日に痩せ衰える妻に夫は付き添ってあげる事くらいしかできませんでした。


そんなある日、村に妖術師がやってきたとの噂を聞き夫は必死に妻の薬を作ってくれと頼み込みました。


妖術師は自分は薬は作らない、しかし作り方は知っているので教えよう。と怪しげな笑みで夫に薬の作り方を教えました。


夫は早速作り始めました。


新月の夜、妻がふとギーコギーコという音に気づいてそっと障子の隙間から夫のしていることを見ると



一心不乱に

何か肉の塊を切り刻む夫の鬼のような姿と




周りに散らばる蛇と猫と鳥と亀の死骸


赤い紅い朱い赫い緋い赧い水たまりー
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