新撰組と神の護り手伝説
特に何の目的もなくブラブラ旅館の周りを散歩していた。

小石を蹴りながら進んでいると。


『いって!』


下を見ながら歩いていたので前にいる人背中に気づかず鼻からぶつかってしまった。


『ずびばぜん』

鼻血でぞう……。


?「I’m sorry.Is your nose all right?」
(すみません。鼻は大丈夫ですか?)


ん?

この時代に聞きなれない言語と
この土地に似つかわしくない、茶髪の眉目秀麗な若い着流し姿の男が立っていた。


?「Are you OK?」
(大丈夫ですか?)


鼻を押さえ眉間にしわを寄せて考え事をしていたせいで大丈夫じゃないように思われたようだ


『OK. Don’t worry. No problem.』
(オッケー。気にしないで。問題ない。)



相手は英語を返してくるとは思わなかったのか


少し目を見開く。


というか理解できないと思っているのに英語を使うんかい!←日本語しか喋れないって分かるだろ。








前の時代で英語は勉強してたし結構得意な方ではあったから少しの会話なら余裕だ。


それにしてもここの旅館は私達一行の貸切になっていて他の人は入れないのだけど、こんな人あの''さる方''のお付きの人の中にいたっけ?



『Excuse me. What did you do here?』
(すみません。ここで何してたんですか?)

?「...It is a secret.」
(...秘密です。)


そう言うとウィンクをして驚くほど身軽に塀に飛び乗った。


『えっ?』

?「ばいばい!英語の話せる不思議なお嬢さん!」


『ええええええ』



ちょっと待った日本語話せるんかい!

嫌がらせか!

しかもお嬢さんとか女ってバレとるやん!


色々と驚愕する吹悠を置いて颯爽と男は塀の向こう側に行ってしまった。
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