新撰組と神の護り手伝説
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月が昇っている。

今夜は月明かりが眩しい。


『…。』


自分の今の状態を確認すると人に戻ったのは理解した。


寝て気が緩んで戻ったのだろう。


問題は着替えが済んでいることだった。


きっと妖精が着替え直してくれたんだね!






大方沖田か。
ふふふ。ぶっ殺す。

刀まで持ってきてくれた事、後悔すんなよ。


横に置いてあった刀を腰に差し、部屋を出ようと扉を開けた。



すると扉に寄りかかって座って寝ていたらしい土方がそのまま横にズルズルと倒れる。


『仕方がないな。疲れてんのか。』



吹悠はとりあえず布団をしいてやり、土方をその布団に放り込んだ。


去り際土方が起きてないか頬を引っ張って確認し、普段は面と向かって言わない事を言った。


『おやすみ。

今日はありがとう。…というか何時も色々感謝してるよ。…多分な。』







扉がカタンと閉められた。





土「バーカ。起きてんだよ。いつも言わない事寝てる間に言うな…。」

暗闇の中、不意打ちに心なしか顔が赤くなった土方は、誤魔化すように寝返りをうち外に開いた障子から月を見上げた。
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