新撰組と神の護り手伝説
僕はぐっと腕まくりをすると山崎の右手と少年の左手をそれぞれ握った。
沖「無茶しないでください!」
ぐっと目をつぶって菊宗に話しかけた。
(治癒やるから力加減お願いしてもいいか?)
(やれぬ事もないが、お主しばらく人の形を保てん程妖力の消耗があるが、それでいいのか?)
いい。
それでも。
目の前で苦しむ人がいるなら、
ぐっと水を押し出すイメージで少しずつ二人に妖力を分け与えていく。
だんだん体から力が抜けていく。
『沖田!…頼むぞ!』
フッと海に沈む様に意識が消えていく。
霞む視界の奥で沖田が慌てて駆け寄るのが見えた。
最後まで土方見てやれよ…