新撰組と神の護り手伝説

『もし、そんな事な行われようとしているなら僕が、止める。』



その時、風に乗って白い紙で折られた鳥がヒラヒラと肩にとまる。那津の妖力が練りこまれているな。

ーそろそろ帰るよ。吹悠。

役目を終えた鳥はただの紙に戻った。



『熙。ごめん。もう帰らなくては。』

立ち上がり、一礼し外へ出ようとすると、熙が強く呼び止めた。

熙「吹悠殿!」

振り向くと泣きそうな顔をしたただの子供がいた。

熙「頼む…。長州の主殿を…止めてくれないか。」


父を亡くし、
今、また新しい犠牲を生み出さぬように、
この子も必死なのだ。





『ああ。言われなくても。』

江戸幕府への恨みは僕にもある。
復讐したくないわけじゃない。

だけど、
無用な血を流すくらいならしちゃいけない。

邪神を蘇らせれば、あいつらと絶対に闘う事になる。
江戸幕府を必要以上に追い詰めれば史実によるとあいつらは…。





あの時。護ると決めた。
絶対に…!

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