新撰組と神の護り手伝説
『ウッ…。』
不味い。咳がこみ上げてきた。
いったん盆を置きうずくまった。
『ゲホッゲホッ…カハッ…!』
持っていた布に赤いものがつく。
平成に戻らないとこのまま死ぬ。
そのためには邪神復活の時に生まれる膨大な力が必要だ。
あ。考えてみれば那津が邪神の復活に執着するのは僕のためでもあるのか?
…うわ。ますます那津は僕が止めなきゃ…
口元を吹き、また菓子の乗った盆を運ぶ。
『失礼します。お茶とお菓子をお持ちしました。』
障子を開けると、侍らしき人が部屋の中央に座っていた。何やら考え事をしている様だ。
背中を向けているので顔は見えない。
邪魔するのもなんだし座っている横にでも置いてさっさと退散しよう。
『お菓子とお茶置いておきます。』
盆を置くと相手はやっと気付き顔を向けず声だけ返した。上の空といったとこ…
土「ん?ああ。」
…。
なんか聞き覚えのある声だったああああ‼︎
この部屋、早く出よう。
はい。一刻も早く出よう。