新撰組と神の護り手伝説
おじいちゃんが亡くなった時は蕾だった桜たちが花を開き

主のいない庭はどこか寂しげだった。


『よくここで素振りしたなあ…』

桜の木に手を当て空を見上げた。


「吹悠〜!!あなたも片付け手伝ってよ!!」

お母さんが屋敷の中から呼ぶ声がした。

『めんど…ボソッ』


小さくつぶやいた筈なのに、なぜだか聞こえてたようで、静かな住宅地にしばらく凄まじい怒鳴り声が響きわたった。
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