新撰組と神の護り手伝説
3章 朱雀

探し物は案外足元に落ちている

朝食が終わり、僕は土方の部屋に向かった。


どこの隊に入るか聞いとかないとな。


障子をすぱーんと開ける。

『土方入ったぞー!』

土「てめぇ入る前に言え!」


土方は机について書類におわれているようだった。紙の山がたくさん積み上がっている。


大変なんだな。あんなに宿題があったら、死ぬわ普通。


土「まあ、まずは障子閉めろ。」

『あ、ああ…ってありゃ?』

土「どうした?」


後ろ手で閉めようとするが、閉まらない。


『なんでもない!』


障子に向き直って両手でゆっくり閉めようとしたが閉まらない。

まずい。さっきの衝撃で壊したかもしれない。咄嗟に障子を背中で隠す。


土「どうした?何をしている?」

『何でもない!それより今日は暖かいし障子開けておいてもいいんじゃないか?』

土「何を言うんだ。今日は寒の戻りで寒い。早く閉めくれ。というか、何を隠しているんだ?」


土方が立ち上がって、こちらに近づいてくる。
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