水晶の少年 ~SEASON~




棺が吸い込まれた途端に、
発狂して再び気絶した小母さん。


再び、小母さんの意識が戻った時には、
過度なストレスが影響したのか、氷雨の死を認識することが出来なかった。

小母さんが死を受け止めたのは、
最愛のご主人の死のみ。

時雨を見ては、『氷雨は?氷雨は?』っと
来る日も来る日も、氷雨の姿を探し続ける。


時雨が『氷雨は亡くなったんだよ』っと
説明すると、発狂して意識を消失させる。


そんな繰り返しの日々に、決意をするように
時雨がとった行動は、私と飛翔が将来を危惧する選択。



双子の特製を生かしてっと言ってしまえば物は言いよう。


時雨は、弟の氷雨と同じ髪型をして
氷雨の服を身につけて、氷雨のように振る舞い始めた。



その行動は……まるで私には、
自分自身を殺してしまっているようにも見えて。


高校に通う時間は、時雨として。

それ以外のプライベートは、
氷雨の姿で過ごすようになった時雨。



小父さんと氷雨の死。
そして小母さんの不調は、
時雨自身を追い詰めるには十分な状況だった。



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