恋に一番近くて遠い君
「ご注文は何にしますか?」


ゆったりとした口調でお婆さんは注文を聞き始める。



「えーと、これとこれと、あとこれとこれお願いします。」


えっ.....それって.......。



「はいはい、かしこまりました。」



また同じようにゆったりとした口調で言い、お婆さんは厨房の方へ戻った。



「な...、なんで私がそれで迷ってたって知ってるの?」


そう陸玖が頼んだものは全て私がどれにするか迷っていたもの。
なんでわかったの.....?



「まー、一つはお前の好み。もう一つはお前の視線たどってきゃーわかったよ。どんだけ一緒にいると思ってんだよ。」



デジャヴ.....なんだか前にもこんなようなこと言われた気がする.....。



「俺は別になんでもよかったし、半分ずつにすればいいんだよ。」


「あ.....ありがと。」


素直に感謝を述べると


「どういたしまして。」


と、陸玖は大胆不敵に笑った。


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