恋に一番近くて遠い君


「わぁ...すごい!」

「これとかめっちゃかっけーな!」


二人はスケッチブックを手に取りひとつずつデザインを見ている。



「...どうかな?」



恐る恐る聞いてみる。



「うん、どれもすごくいい!」


「あぁ、ここから選ぶとなると迷うな。」



良かった!高評価をもらえてるみたい!



「うーん、ここの中から2、3枚選んでそこからまたみんなで多数決をとるってのはどう?」


「お!いいなそれ!」



二人がとんとんと話を進めていく。
二人の仕事っぷりがすごすぎて話に入れない。


「美海もこんな感じにデザイン決めていってもいいかな?」



「え、あ、うん!いいよ!」


速すぎるやりとりについていけず急に質問をされ返事がワンテンポ遅れる。



「よし、じゃあこの中から俺達二人で選んだものを明日の早朝、みんなに多数決で絞ってもらうってことで!」


「うん、そうしよう。ありがとね、美海。どれも素敵なデザインだったよ!」


褒められると照れるけどすごく嬉しくなった。こんな私でも役に立てたんだって。



「あ、天良、俺らこの後実行委員の会議あることね?」


「そうだった!早く行かなきゃ。美海、教室の方もよろしくね!」


二人はスケッチブックを持ってすぐに会議に行った。本当に大変そうだなぁ。


でもすごく生き生きしている。


私ももっと頑張らなくちゃ...




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