恋に一番近くて遠い君
それから数分して甚平を着た天良が向こうの方から走ってくるのが見えた。



「ごめん!少し遅れた」



「ううん、仕事お疲れ様!」



「ありがとう。じゃあ行こっか!」



そう言った天良はゆっくりと歩き出した。私が浴衣だからかな?
ほんとに天良はいつも私の事を考えてくれる。



そういえば天良とこうやって隣で歩くの久しぶりだな。
実行委員で忙しかった天良とは登校も下校も別々だった。



やっぱり天良の隣は落ち着くな。



「美海、あれ食べよ!」


天良が綿菓子を指さしている。



「うん!食べる!」









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