恋に一番近くて遠い君
「あ、美海」



私に気づいた陸玖は私の前で立ち止まる。



「なんか昨日会ってないだけですげー久しぶりな感じがする」



「私も。陸玖法被似合ってるね」



「さんきゅ。美海も浴衣似合ってる、今仕事終わったの?」



浴衣似合ってるって言ってくれた…嬉しい


顔がにやけそうになるのを我慢する。



「うん、今から着替えてこようかなって。陸玖は今からでしょ?頑張ってね」



「おう」



「じゃあ更衣室行くから」



陸玖の横を通り過ぎた時




陸玖に後ろからぎゅっと手首を握られた。



「陸玖?」



振り向くと陸玖が少し顔を下に向けていた。



「陸玖?」



もう1度陸玖の顔をのぞき込むように聞く。

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