恋に一番近くて遠い君

教室に着いてドアを開ける。



「あれ?陸玖どしたの」


「美海は?一緒じゃないの?」



教室には少しずつ片付けをしていた天良と陽生がいた。



実行委員の仕事もあって疲れてるはずなのに、ほんとお疲れ様だわ。



「美海来てない?」


そう聞くと二人とも首を横に振った。
来てないか……



「ケンカでもしたの?」


片付けの手を止めて天良が聞いてきた。



「いや、ケンカではないんだけど…美海が急に走ってどこかに行ったんだよ」


「何があったの?」


何が……いつぐらいから違和感あったっけ。


「今日一緒に回ってたけど、美海の様子が少しおかしかったんだ。なんかぼーっとしていて」



俺が話し始めると2人は黙って聞いていた。

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