後輩くんが愛おしくてたまりません。
まあ、そんなことは置いといて、
樹は傷心中だったからなのかわからないけど
隣の中学の子が可愛いだとか、東高の3年が可愛いだの、あ、でも、3年だと俺が入ることには卒業してるか、だの
やいやい言っていた。
そんな樹に呆れていた時、
「きゃっ…」
俺が周りを見ていなかったせいで誰かとぶつかってしまった。
あまり強くは当たらなかったけど、当たったことで足がもつれて転けてしまったらしい。
俺は慌てて
「ごめんなさい!大丈夫ですか…?」
倒れている女の子に手を差し出した。
東高の制服を着ていて、先輩だとわかった。
どうしよう、怪我でもしさせてしまったらうちの中学の評価が下げられて、合格しにくくなるんじゃ、と思っていた。
まあ、後でこのことを違う友達に話したらそんなわけないだろ、やっぱり桃真(とうま)は馬鹿だな、なんて言われた。