歪んでいく君と僕
片思い
「恋なんて、所詮ギャンブル」
などと現実主義者を気取っていても、やっぱり私も一人の女の子みたいで淡い恋で胸が一杯になることだってあるんです。

「クラス替かぁ...寂しいね、次も同じクラスになれるといいね!」
なぁ、それもう聞き飽きたんだけど、そんなこと言える筈もなく。
「海もそう思うよー。」
と、いつものように本心とは全く別のことを言う。
私は今、中学二年生だ。そして今は三学期が終わろうとしている。終了式が終わった途端にもう何度目か分からない台詞を聞いた。本当、面倒臭い。
「海も皆と離れるの寂しいなぁ。」
そういうと、クラスメイトの女子は笑った。でも、面倒臭いけど、女って、単純というかバカだと思う。保護欲が掻き立てられるような相手には全然、トゲがないし。自分より上の相手には刺々しいのに、全く。
だから、自分を名前で呼んで、ちょっと幼めに話すようにして、愛想を振り撒くだけでだいだいの女子は優しくしてくれる。
ちなみに海-カイって言うのは私の名前、男の子みたいな名前ってよく言われるけど、結構気に入ってる。私も笑い返す。
ほら、これが平和な生き方。
本当の性格なんて出したら、人間関係、面倒臭くなっちゃう。
でも、私はその人の前だけでは素が少し出せるような気がするんです。


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