7colors
でも正直、2ヶ月たった今でも恋愛感情などというものは分からない。
だから自分が彼のことが好きかどうかだって分からない。
だけどここを通ると足を止めて見てしまうし、練習試合で彼がゴールを決めると何故か嬉しい。
すると、しばらく隣で黙っていた町田さんが、こう言った。
視線はグラウンドに向けたまま、私の心を読んだかの様に。

「それが、"恋"なんじゃないかな」

ビクッとする。
今度は内容に。

何も言えない。
本当に頭の中が『?』で埋めつくされる感覚で。
今私は、いわゆるパニックというやつに軽く陥っているのかもしれない。

ーそれって、私は西島君が好きってこと?

突然浮上したこの問いに、私は答えることが出来るのだろうか。
現段階では、その確率はほぼ0%に等しいと思われるが…

いつの間にか隣に町田さんはいない。
私は早足で校門を後にした。
< 23 / 24 >

この作品をシェア

pagetop