7colors
そしてパンは買えず、今に至るのである。

ここは屋上。
昼休みは大体いつもここで過ごす。
誰もいないから、ほぼ一日中女子に追いかけられてる俺にとっては避難所的な場所だ。

にしても本当に腹が減った……。
財布…忘れてきたか?でも入れっぱなしにしてあるはずだし……という事は落とした?
あ~っ、そんなことより腹が減った…と本末転倒な感じになり始める。
気を紛らわす為に、制服の裏ポケットに常備している飴でも舐めようかなと思った時だった。

「あっ!居たっ!!」
ここと中を繋ぐ階段の前にあるドアを勢いよく開けてそう叫んだ奴がいた。
その顔は知っているものというか、数時間前知ったばかりのもので、手にはビニール袋を提げていた。
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