7colors
「だってそれ、イニシャルが入ってたから。うちの教室の前に落ちてたし、同じクラスの人のかなって思ってたら、それが目に止まったの。同じクラスにイニシャルがS.A.の人って赤間君しかいないでしょ?」
町田さんが指さしたのは、とあるキーホルダー。
鉄製の細めのリングにチェーンが通してあるものだ。
彼女が言う通り、確かにリングの側面には俺のイニシャルであるS.A.の文字が刻まれている。
「それ、誰かとお揃いとかなの?男子がイニシャルの入ってるもの持ってるのって珍しいんじゃないかなーと思って。あっ、もしかして彼女?まさかのスキャンダル発覚か!?」
町田さんは笑って言った。
写真を撮る様なジェスチャーも加えて。
「残念ながら姉貴とだよ。お互い仕事が忙しくて会えない時も多いからって貰ったんだ」
「赤間君のお姉さんって美春さんだったよね?アイドルの」
「うん」
赤間美春…俺の姉貴は、友達とペアを組んでアイドルをやっている。
最近では互いに名が売れて、俺達が姉弟であるのはある程度有名になっていた。

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