7colors
「あっ、そうだっ!!」
町田さんが急に叫んだから驚いた。
彼女は構わず、手に提げていた袋から何かを取り出して渡した。
「はい、これ」
「え?」
「だって、財布落としてお昼ご飯買ってないんじゃない?」
図星だった。しかも町田さんから渡されたのは偶然にもメロンパン。
俺はそれを受けとった。
「あ、ありがとう」
「ううん、気にしないで、それ赤間君の財布から買ってるから。それに…」
まぁここまでは当然だった。俺が食べるやつだし。
だけど、さすがに次の彼女の言葉には若干耳を疑った。
町田さんは、袋からもう一つ何かを取り出してこう言ったのだった。
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