２番目の唇

◆00 kiss

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「初恋はいつ？」


「ファーストキスって？」



恋愛の話題になると、なぜだか投げかけられるこんな質問。


お酒が入ると、

「初体験は何歳の時？」

なんて訊くヤツもいるけどね。


そんなの、みんなきちんと覚えているものなの？


大きな声では言えないけれど、私は恋愛に関するどの“ハジメテ”もあんまり詳しくは覚えてない。

初恋も、ファーストキスも、中学か、高校か・・・

どっちかだったのは間違いないんだけど。


大体、“ハジメテ”なんて、そんなにイイものじゃないでしょ？



私の中でくっきりと記憶に残っているのは、どっちも２番目。

人生で2度目のキスのことは、今でもよく覚えている。


やわらかく触れた、唇の感触。

少し汗ばんだ彼の手の平。

そっと私の口内に入ってきた舌が私のと絡み合った時の、なんだかもう溶けちゃうんじゃないかと思うような気持ちよさ。

力が抜けてしまった私の腰を抱いて支えてくれた腕の、意外な力強さ。

彼の胸に体を預けた時の、不思議な安心感。


そして、最初のキスとのあまりの違いに驚いたこと。