人生、始めます。
…………ここは、どこだろう?
なんだか、とても心地が良い。
ああ、そうだ。
私、死んだんだっけ。
スッキリしたよ、せいせいした。
次の人生はーーーー
「待って下さい!」
「………………ん?」
一体誰なんだ、せっかく気持ち良く眠っていたのに。
「………………え?」
目を開けると、とてつもない光景が広がっていた。
周りは真っ白で、何もない。
ほんと、なーーーんにもない。
「目が覚めましたか。」
そして、目の前には、人形のように可愛らしい少女が浮かんでいた。
「何度起こしても起きなかったのですよ。貴方」
何?この人。
「む、聞いているのですか?」
金色の髪は腰まで伸びていて、触りたいくらいふわふわしている。
顔はどこか幼いけれど、とてつもなく可愛い。
服装は、真っ白なドレスのようなものを身につけている。
うっわー、こんな人現実に居るんだ。
「もーーーー!!!!聞いてくださいよーー!!!!」
その叫び声で私は我に返った。
「わ、な、何?」
「おおー、やっと返事をしてくれたのですね、嬉しいのです」
ていうか私…………なんでここに居るんだっけ………
「む、貴方、なんでこんな所にいるの~?とか思っているのですね。」
なんで分かるの。
「ふふふ、私は神の使いですからね!」
か………神の、使い?
「意味がわからないんですが…………ていうか、貴方、誰ですか?」
ここもどこだかわからないし…………
「さっきも言ったじゃないですか~、神の使いですよ!」
いや、それはわかるんだけどさ。
「名前とか、無いのかな~………って思いまして」
「名前……………ですか?」
神の使いは、キョトンと首を傾げた。可愛いって、ずるい。
「そうです、名前。」
「私は名前はありません!」
名前が無いって………不便でしょ…………
「不便では無いのです。私達神の使いは、使いどうし呼び合う事なんて無いのですから」
サラっと心を読むな。………じゃあ、私はなんて呼べば良いのかしら……
「じゃあ、ツカちゃんとでも読んでください!神の使い、で、ツカです!
あと、心の中でタメなのですから、言葉もタメ良いのですよ」
やっぱり心を読まれてる。タメでいいなら、お言葉に甘えて。
「じゃあ、ツカさん。私はなぜここにいるの?」
私はここに来て一番の疑問を口にした。
「貴方が、意味の無い自殺をしたからなのです。」
意味の、ない、ね。
「意味があろうと無かろうと、自殺をするのは私の勝手でしょ。
私は疲れたの。」
「そうですか。では貴方はこれからどうしたいのですか?」
「これから………って、私はもうなにもしたくないのよ。」
そう。何もしたくないから自殺した。
でも、欲を言えば…………
「生まれ変わって、やり直したい、かな」