片想い大作戦⭐️(完)
「おはよ」
ふてぶてしくそう返せば、私の肩に腕を回してきた。
「きゃっ!」
「なあなあちー、あのさ〜」
離して!そう言おうと思ったと同時、左腕を誰かに強く引っ張られた。
「ちーって呼んでいーの俺だけ。それ以上触ったら殺す」
な‥‥‥‥‥‥‥‥っ
「せな‥‥‥‥‥?」
腕を引っ張ったのはせなで、今まで見たことないくらい怒った顔でアキラを睨みつけていた。
顔の整った人が怒るとこんなに恐ろしいの?
そう思うくらいせなの表情は冷たくて、普段のせなからはありえない事だった。
ぽかーんとしたまま固まった私の腕をぐいっと引くと、あろうことか教室とは違う方へ連れてかれ、なんと空き教室に引きずりこまれてしまった。
まさかそんな私たちをみてアキラが
「がんばれよ‥‥‥‥‥菜愛」
切なそうな表情を浮かべていたなんて私は知る由もない。