片想い大作戦⭐️(完)
あまりの衝撃に固まったままの私を見て、悪戯な笑顔をニヤリと浮かべたのち、ズイッと私の口に、甘い卵焼きが差し込まれた。
「ん、あげる。おいしーって言ってみな?」
昔からなにかと、私の喜ぶ姿や笑う姿を見たがるせなは、私が喜ぶと思ってそんなことを言ったんだろうけど、
正直いまショックすぎてそれどころじゃない。
だけど、目の前で目を輝かして私を真っ直ぐ見るもんだから、
「お、おいしい‥‥っ」
「うん、可愛い」
「‥‥‥‥っ」
あぁ、もうやめて。
次から次へといろんな感情が入り混じる‥‥‥‥。
ドキッとした心臓をおさえながらも密かに深呼吸を繰り返した。