もう一度あなたに恋をした。
女の子の物かな?そう思って上を見上げる。
この屋上には真ん中あたりに6畳ほどの広さの、何のために造られたか分からない高さ3メートルほどの高台があって、紫穂はその高台にもたれて座っていた。
つまりこれは、高台から落ちてきたもの。
高台へは、女の子が登るにはふさわしくない、垂直に壁に張り付いてるだけの簡易ハシゴを上らなければならない。
男子だってわざわざここより上に行こうとする奴もいない。
だから人が高台の上にいるとこなんて今まで見た事がないし、聞いた事もない。
でもほんとに女の子の物なら…トイレの後とか困るし、渡してあげないと…
という謎の使命感に襲われて、ハンカチを握り締めて意を決する。
錆びたハシゴに触れるだけで、何年も手入れされてないことがよく分かる。
自分の体重で壊れないか心配になりながらも、ハシゴを上りきった瞬間、目にした光景に…身体が硬直する。