もう一度あなたに恋をした。
「…先輩が何で泣いてるか大体の検討つきますけど…アイツは俺の女じゃないっすよ。」
その言葉に佐伯くんを見上げる。
「でっでも、下の名前で呼んでた…!」
「幼馴染みなんで、それは昔からっす。」
「名前もっ…イニシャルと同じだった…」
「…何のことっすか?」
「あたしが拾ったハンカチ…」
あー…と、思い出したような顔をして、
「あれはアイツのじゃないっすよ。」
しっかりとあたしの目を見てそう言った。
「え…じゃあ、本当に付き合ってないの?」
「あはは、誰がアイツなんかと。」
冗談交じりでそう言った佐伯くんは、ふわりと笑ってくれた。