もう一度あなたに恋をした。
不思議でたまらなかったから、直球に聞いてみた。でもそんな疑問は
「いえ、なんつーか、まぁ…そんなとこっす。」
そう柔らかく微笑んで返された曖昧な返事によって、解決したような気になれずに終わった。
初対面の後輩にこれ以上追求するのもどうかと思うし、かといって話があるわけでもないし、そろそろ授業出ようかな..
と思ってまたハシゴをおりようとしたところで、さっきの男の子の第一声がふと気になった。
「そういえば、なんであたしの名前知ってるの?」
男の子は少しの間を置いて、口角をつり上げる。
「学校一の美女を知らない生徒はいないっすよ。」
それだけを言ってハンカチを大切そうにポケットにしまい込んでいた。
学校一の美女…か。
いつの間にそんなレッテル貼られたのか。