もう一度あなたに恋をした。
全身が小刻みに震えている。さっきまでの恐怖の余韻なのか、安堵からなのか分からないけど。
佐伯くんがあたしの目の前にしゃがみ込み、目の高さを合わせてくれる。
「すいません。俺がもっと早く気付いてれば…」
「何で佐伯くんが謝るの…。逆に、助けてくれてありがとうだよ。」
そう言うと、少し複雑な表情をして笑った佐伯くんはふるふると首を振り、着ていたジャージをあたしの体にかけてくれた。
その瞬間ふわっと、せっけんのいい香りが鼻をくすぐって…ホッとして、少しだけ泣きそうになった。
次第に震えも落ち着きを取り戻す。
佐伯くんが着てくれなかったら…あたし……