もう一度あなたに恋をした。
「シャツ、破かれてるんで…これ着たまま帰ってください。」
え、いいの?
佐伯くんの顔を見上げると、また切なそうに笑う。
「ありがとう…でも、他の女の子に貸したりしたら、彼女怒らない?」
つい本音が漏れてしまった。
でも、本当にそうだ。送ってもらうなんて、彼女さんにも申し訳ない。
「今の先輩は、自分の事だけ考えてください。」
まるでこれ以上踏み込んでくるな、とでも言いたそうな逸らし方に、また違和感は残る。
それでもやっぱり、体の前部分が露わになったあたしのにとっては、貸してもらうに越したことはなく、ありがたくそのまま佐伯くんのジャージに腕を通す。