もう一度あなたに恋をした。
なんとなく気まずくて、佐伯くんの背中を追うように少し後ろを付いて歩く。
帰り道で交わした言葉は数少なく、ほとんど沈黙の状態だったけど
それでも、着ている少しブカブカの佐伯くんのジャージはあったかくて、なんだかすごく安心した。
「…ねぇ、佐伯くん。」
なんですか?と、振り向きながら首をかしげてくる。
「その…どうして気付いてくれたの?」
さっき拓海が言った通り、サッカー部の部室は校門とは真逆の方向にあって、部活がない限りそこに誰も近付かないはず。
あー…と声を漏らしながら、頭を掻く佐伯くん。