もう一度あなたに恋をした。
「先輩、まだ時間ありますか?」
そう言われて携帯で時間を確認するも、もう19時近い。
叔母さん夫婦は、共働きで夜遅くに帰ってくる。そのため、晩御飯はひとりで済ませる事が多いのだ。
拓海との事もあって、なんとなくひとりになりたくなかったから…
「うん、大丈夫。」
あたしがそう返事したのを確認した佐伯くんは、すぐ近くの公園に入っていく。
「先輩はそこで待っててください。」
そう言われてベンチにゆっくり腰掛ける。
辺りはもうすっかり陽が落ちてて、少し離れた場所にある自販機の光だけが、目の前にいる佐伯くんを照らしていた。
チャリン、と小銭の音が鳴り響く。