もう一度あなたに恋をした。
哀れんだ目で佐伯くんを見てたら、なにやらグラウンドから出ていくようだ。
「紫穂、佐伯くん行っちゃうよ?」
あたしの顔を覗き込んで言う雅。
「追いかけなくていいの?」
「あのねぇ…だから好きとかじゃなくて…」
そんなやり取りをしていると突然、女子集団の歓声が一層大きくなった。
何事かと思ってグラウンドを見ても、もう佐伯くんはいない。
いや、女子たちはグラウンドじゃくて…あたしを見てる?…
ん…?
ふと、何かが腕に触れてる…と思って見たら、触れてるというより誰かに掴まれてて…
「先輩!!来てくれてたんですね!」
目の前の声に顔を上げると、爽やかに笑う佐伯くん。
その瞬間…とんでもない女子集団の悲鳴が響くき渡ったのは、言うまでもない。