もう一度あなたに恋をした。



「この後ちょっと用事あって…でも先輩を家まで送らんと心配なんで。乗ってください。」


「う、うん…あっそうだ!これ。」





今更思い出した、ずっと手にしてた紙袋を佐伯くんに差し出す。




「昨日借りて帰ったジャージ。なるべく返そうと思ってついでに持って来たんだ。」


洗って乾燥機もかけたからね!と笑うと、佐伯くんもやっと笑顔を取り戻して受け取ってくれた。





「ちょーど良かったっす。これ、荷台に置いて座布団代わりにしてください。」


「えっ、返したばっかなのにまた汚しちゃうよ!」


「ジャージは汚れるためにあるんです。」




とか妙に説得力ある言い方するもんだから、お言葉に甘えて座布団にさせてもらった。




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