もう一度あなたに恋をした。
え…なんだろう
何言われるんだろう…
佐伯くんは真っ直ぐ前を向いたまま、未だ自転車をゆっくり漕ぎ続けていて…
すぐにキッと音を鳴らしながら止まる。
改まって、ほんとにどうしたんだろう…
くっつきすぎた事について、やっぱ離れろ、とか?…
ゆっくりと、佐伯くんが振り向く。逆光でどんな顔してるのかは見えない。
なぜか襲ってきたものすごい緊張感に負けて、咄嗟にうつむく。
佐伯くんは、ゆっくりと口を開いた。
「着きましたよ?先輩ん家。」