もう一度あなたに恋をした。
「…これで昨日みたいな事があっても、先輩を助けに行ってやれます。」
「う、うん…」
違う。
そんな事言った覚えもないし、そもそも
佐伯くんは別の何かを言おうとしてた気がしてならない。
元々鈍感なあたしにでもわかる。
「じゃあ…また学校で。」
「うん、またね。」
何かが引っかかる。
お互い手を振って別れ、あたしは家に入ろうとしたところで、佐伯くんの方を振り返る。
自転車に乗って遠のく佐伯くんの背中が見えなくなるまで、目が離せなかった。