もう一度あなたに恋をした。

「ちょっ！雅！！これ佐伯くんかもしんない！！」



知らない番号からかかってくる心当たりなんて、今の所ひとつしかない。



携帯を振り回しながら、驚きのあまりに裏返りながら叫ぶあたしの声を聞いた雅は、わざとズッコケてみせた。




「ほんとにキタんかい！（笑）いーからさっさと出なされ！」






妙に緊張してしまってなかなか取れずにいたけど、雅さまのギラギラの目を視界に捕らえて意を決する。





うわぁ…佐伯くんと初電話……





根拠もないのに電話かけてきたのが佐伯くんだと勝手に決めつけて、勝手に緊張してるけど…


この前の二の舞になりませんよーに！！








「…も、もしもし？」

『………』




あれ？何も聞こえない。



耳から離して画面を見るも、「通話中」の文字。





小首を傾げながら、もう一回耳に当てて恐る恐る「佐伯くん？」と問いかけてみる。










『……………せん…ぱい…』