もう一度あなたに恋をした。
「大丈夫なの?熱は?家に誰かいるよね?」
『ん…おれ、一人暮らしっす…』
「え``っ………」
知らなかった。
そういえば佐伯くんの家の事情とか、一度も聞いた事なかった気がする。
ん?家にひとり?てことは…
「…ご飯とか食べれてる?」
『…くしゅん!…………いえ、なんも…』
案の定の答えが返ってきて溜め息をひとつ。
それはだめだ。食べなきゃ治るもんも治らない。
「佐伯くん、放課後おみま…!!」
あたしの発した言葉は、教室に入ってきた先生が視界に入った事によって、携帯を慌ててポケットに突っ込んだため続きを言う事が出来なかった。
佐伯くんごめん…!
頭の中で謝ってポケットの中で通話中の携帯の電源を、そっと落とした。