もう一度あなたに恋をした。
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歩きながらガサゴソとする物音は、手に提げたビニール袋。
学校を出てから小さなスーパーに寄り、ポカリやヨーグルトや食材をあれこれ買ったのだ。
慣れた足取りで向かう先は、佐伯くん家。
意外にもあたしの家からそんなに離れてない。
まだ一度も行った事はないけど、前に送ってもらった時、
『ここを曲がったら俺ん家なんすよ。』
って言ってたのを頭はしっかり覚えてたみたい。
「えーっと…佐伯…佐伯…」
佐伯くんの言ってた”ここ”を曲がって、佐伯の表札を探していたところで
ポケットの僅かな隙間から漏れたLINEの着信音を、耳が捕らえる。