もう一度あなたに恋をした。
それは佐伯くんからで、
〈茶色のボロアパートっす〉
初めての佐伯くんからの文章は、絵文字も顔文字もないシンプルな佐伯くんらしい一文だった。
見計らったかのような絶妙なタイミングのそのLINEのおかげで、すんなりと見つけることが出来た。
ここの通りにあるアパートで、茶色いのはこのアパートだけだ。
そのアパートの前に着くと、さっきのLINEを開く。
〈部屋どこ?〉
今度はすぐに返信が来た。
〈二階の一番奥〉
…多分相当しんどいんだろう、文章から伝わってくる。