もう一度あなたに恋をした。



苦しいのに、嫌とは思わないこの感じ…
なんだろう…





「もう少しだけ、そばにいてください…」



何とも弱々しく発されたその言葉に戸惑いながらも、「…分かった」とだけ返し、佐伯くんの頭をそっと撫でる。



栗色の髪の毛は触ると思ったよりも柔らかく、男の子とは思えないほどサラサラしてて…


撫でているのが気持ちよくて、調子に乗ってきたあたしはひたすらナデナデしてた。




「いつもは見下ろされてるけど見下ろす側になると、可愛く見えるもんだな〜。」



完全に調子乗ったその発言に、佐伯くんの体がピクリと動く。




ーーーーフッと腰にあった腕が離れていって。


見上げてきた佐伯くんと、視線が絡み合う。


< 77 / 116 >

この作品をシェア

pagetop